【田舎暮らし】家賃5000円って本当?その裏側とカラクリとは?

「家賃が5000円!?なにか裏があるんじゃないの?」
そう思ってしまいますよね。家賃5000円というのは、当然裏があります。

しかし、普通の人が思っているような「いわく付きの部屋」とは別の意味でです。

今回は、田舎に移住しようと考えている人なら必ずぶつかる「家賃」に関して、その裏側とカラクリについてお話していきます。都会から田舎へ移住しようとしているのであれば最後までチェックしてみてください。

田舎の家賃相場はどれくらい?不動産会社と個人の相場について

田舎(ここでは限界集落を「田舎」としてお話します)で、一軒家を借りようと思うと、どのくらいの価格で借りられるのでしょうか?その答えは、不動産会社と取引するか個人と取引するかで大きく変わってきます。

それぞれの家賃の相場についてまずは見ていきましょう。

不動産会社から家を借りた場合の相場

不動産会社から一軒家を借りた場合は、基本的に2~5万円程度が家賃の相場。これは、ネットでも検索すれば出てくるし、住みたい地域で調べればかんたんにリサーチできるはずです。

安い物件は、家が空き家になってから時間が経っていたり、雨漏りがしていたりと、何らかの問題が生じている場合が多いです。ただし、不動産会社を通す場合、契約してからは家に入る前に清掃をしてくれたり、シロアリなどの駆除・対策をしたりしてくれる場合もあり、一概に金額だけが高いというわけではありません。

また、田舎の場合は敷金礼金が不要な場合も多いので、都会で不動産会社を通すよりかなりお買い得感がある場合もあります。自治体によっては移住者には補助金がおりる場合もあり、家賃の半分程度を補助してくれる場合もあるようです。この点については後ほど詳しく解説します。

個人から家を借りた場合の相場

個人から一軒家を借りる場合の相場は、5000円~2万円程度がほとんどです。私は自宅を個人の方から借りていて家賃は1万円です。安いと言えば安いのですが、もっと安く借りられるところもたくさんあります。私の周りでは5000円で10DKの古民家を借りている人も…。それぐらい限界集落では家があまっているのです。

「家賃が5000円!?安すぎ!」と思われる方も多いかもしれませんが、問題は家を借りられるかどうかにあります。空き家の家主は、持て余した家を貸したくてもおおっぴらには公開できないというジレンマを抱えています。なぜかというと、田舎というのは閉鎖的な社会で、変な人が来ることを嫌がる傾向にあるからです。

例えば、家主が家を「空き家バンク」に載せたとします。その空き家へ、ちょっと怪しい人が住んでしまったとなったら、近所の人の厳しい目は、その家を借りた人に向けられるのではなく家主に向けられてしまいます。要するに、貸した側の責任が問われてしまうのです。

こういった経緯があるために、田舎の人は空き家を持っていたとしても、不動産会社や空き家バンクのような不特定多数の目に触れるところに出したがらないのです。

では、どういった場合に家を貸すのかというと、信頼のできる人物が現れたときに重い腰をあげるのです。遠い親戚だとか、いとこの友人だとか、同級生の息子だとかそういった人に対しては貸しているケースをよく目にしています。

個人から家を借りる場合、家賃は安くで借りられます。しかし、移住者にとっては「貸してくれる」までのコネを築くのは難しい…というのが現実。個人から安く家を借りるにはコネが必要不可欠というわけです。

家賃5000円で貸し手は儲かるの?そのカラクリ

家賃5000円で家を借りられるのは、わかっていただけたと思います。借りられるのかどうかは別として、ここで一つ疑問になるのが「5000円で貸して家主はちゃんと得するの?」というところ。そのカラクリには「家は人が入っていないと驚くべき速度で荒れはじめる」という現象が大きくかかわってきます。

家に人の気配がなくなると、空気の入れ替えや掃除をしなくなってしまいます。すると、虫やクモが繁殖し、その虫たちを食べにネズミがやってきます。古い家は隙間だらけなので、すぐにこういった生き物たちが侵入してきてしまうのです。そして、その侵入口は徐々に削られ大きくなっていき、さらに動物が侵入してきます。

荒廃が進むと、ハクビシンなどの大きな動物が家に入り糞をしたり、植物やコケが家に絡みつき柱などの木材の乾きが遅くなったりします。そうなってしまうと、徐々に木材が腐敗してしまって、屋根が崩れたり、天井が抜け落ちたり、壁に穴があいてしまうのです。

家が崩れはじめてしまったら、瓦の落下などの問題が出てくるため近隣の人からの不満も出てきます。そうなってくると、家を取り壊す必要が出てきますが、取り壊しの費用は安く見積もっても100万円以上は少なくとも掛かります。家主としては、取り壊しをどうやっても避けたいのです。

もうおわかりだと思いますが、ようするに、空き家にしておくぐらいならタダでも使ってもらったほうが資産を維持しやすいのです。

「じゃあ、5000円取らなくてもタダで貸せばいいのでは?」と思われるかもしれませんが、ここにもカラクリがあります。それは『固定資産税』。家主は空き家の土地を所有しているため、毎年、固定資産税を支払う必要があります。一般的な田舎の家の固定資産税は、年額にしておおよそ5~6万円程度。その費用が「チャラになればいい」という額が大体「月5000円」という話なのです。

儲けは出なくていいから負債にはならないで欲しい…というのが家主の考え。聞けば納得できる話ですね。

個人から家を借りた場合の落とし穴

ここまでの話を聞いた方は、

「借りるのは難しいけど個人から家を借りたほうが圧倒的にお得じゃん」

と思われたかもしれません。

確かに、個人から家を借りるのはお得ですよね。でも、個人から家を借りる場合のみにあるデメリットもいくつかあります。

  • 自治体から修繕補助がでない
  • 急に契約解除を要求される場合がある

これらの点について、対策についても合わせて解説していくので参考にしてみてください。

自治体から修繕補助がでない

田舎で古民家を借りる場合、基本的に修繕が必要です。修繕不要の家はかなりのレアケース。修繕は前提のもと動いたほうがいいでしょう。

自治体によっては、移住者を対象に家の修繕の補助を行っている場合がありますが、個人から家を借りている場合この補助を受けられない場合があるのです。「空き家バンク」や「指定の不動産会社」を通して家を「借りるor買った」場合にのみ補助の対象になるケースが多く、個人から借りている場合は補助金がおりない可能性が高いです。

もし、これから家を借りるのであれば、家の修繕費がどこまで補助されるのか調べておくことをおすすめします。個人から借りる場合と空き家バンクを利用した場合で、家賃がそれほど変わらないのであれば、大きな初期費用となる修繕費を補助してもらう方が、短期的な懐事情は楽になるはずです。

急に契約解除を要求される場合がある

残念な話ですが、個人から家を借りる場合ある時急に「出ていって欲しい」と言われる場合があります。

急な契約解除を迫られる要因の一つに「身内が家を探している」などがあげられます。「都会に出ていった息子が結婚して戻ってくる」などが代表的な例です。家を借りているこちらからすればたまったものではないのですが、実際にこのような話を聞いたこともあるので油断はできません。

また、荒れ放題だった空き家がきれいになってきたから自分たちで使いたいという、私利私欲にまみれた大家さんもいます。

こういった問題を防ぐには、口約束で済まさずに契約書を交わしておくというのが一番です。「賃貸借契約書 テンプレート」などで検索すれば雛形はいくらでも出てくるのでうまく使いましょう。

最近では、DIYで空き家を自由にリフォームできる「DIY型賃貸借のガイドライン」を国土交通省がリリースしています。DIYでリフォームを考えている人はこういった契約書をうまく使うと良い結果が得られるはずです。

こちらからすれば一方的な契約解除要請は迷惑な話ではあります。しかし、自分の身は自分で守れるだけの知識やスキルを持っていない状態で、見知らぬ土地へ行くほうにも責任があるのではないでしょうか。いつだって「自分を守るのは自分」と意識しておく必要があります。

【知っておこう】修繕が必要な家を借りた場合の大変さ

↑ほくほく邸の床の張替えをする友人

不動産会社を通す、通さないは関係なしに、修繕が必要な家を借りる場合の大変さを伝えておきましょう。手間や金銭面のどちらにおいてもしっかりと理解しておかなければ必ず痛い目を見ます。

安く上げるならDIY改修はほぼ必須

↑抜け落ちた天井の補修

安さ重視で家を借りるのであれば、修繕も自分で行うつもりの人が多いと思います。お金をかけずに自分で修繕をするつもりなら、それなりの期間は大工仕事に情熱を注がなければなりません。

私が改修を行った際は、畳はボロボロ、キッチンの床はベコベコ。天井はハクビシンの糞で腐り、崩壊していました。最低限、住めるようになるまで丸1ヶ月掛かりましたし、その1ヶ月の間は仕事は極力しないようにし、大工仕事に注力。そこから、快適に住めるようになるまでには、その後さらに2ヶ月を要しました。修繕には、僕と妻の2人で作業をしていたので、これを1人でとなると倍では済まないはずです。仕事をしながらの週末大工ならさらに長い期間が必要でしょう。

体力には自信がありましたが、かなりの重労働だったし、工法がわからないので工事の方法を深夜までリサーチしていました。それでも私は、楽しみながら作業が出来たので、作業自体が苦痛と感じたことはありませんでしたが、DIYに興味のない人は悲鳴を上げて逃げ出すレベルだったと今でも思っています。

水回りはボロボロの可能性も

「DIYで対応できるならいくらでもやってやる!」

という物好きな人も中にはいるかもしれません。しかし、水回りなんかでも同じことが言えるでしょうか?古い家の水道管は劣化がすすんでいます。地面を掘り返してみると、真っ赤に錆びた鉄管が出てくることも十分考えられるでしょう。

↑床下でおきた漏水、床に穴をあけて修繕してもらった

長年使われていなかったサビサビの水道管に、強い水圧の水道水が注ぎ込まれたらどうなるかは想像がつくかと思います。実際、僕の家も住みはじめて2ヶ月後に水道管が破裂しました。漏水に気がつくのに遅れ、水道料金は「14,000円」とかなりの金額になってしまったのです。

漏水の対処は、素人では難しく、そもそもどこが破裂したのかもわかりませんでした。このときは、水道屋さんに来てもらって修理してもらい、事なきを得ました。

余談ですが、漏水時の水道料金の減免申請には、指定の水道業者の領収書が必要ということも頭に入れておいてもいいかもしれません。漏水時に余分にかかった水道代は後ほど返金がありました。

ぱっと見てキレイな古民家であっても、床下の水道管はもしかしたらボロボロかも…。予想外の出費が出ることは古民家に住むなら想定に入れておきましょう。

ちなみに、雑に開けた穴はDIYで修繕しました。この作業もほぼ1日掛かり…

個人から家を借りるには

最後に、個人から家を借りるにはどんな方法があるのか紹介しておきましょう。

答えは単純で「現地の人と仲良くなる」です。とはいえ、全く知らない田舎に立ち寄っていきなり「空き家ないですか?」というのは怪しさ満点なのでおすすめはしません。

おすすめなのは、

  1. じいちゃん、ばあちゃんの家の近くをあたってみる
  2. 友人のじいちゃん、ばあちゃんを紹介してもらう
  3. 田舎のシェアハウスに住んでみる

の3つのパターン。

はじめの2つのパターンは見たそのまま。現地にずっと住んでいる人の紹介であれば、顔が通るし空き家の家主も断りにくく、非常に強力な手段となります。ただし、万が一空き家の家主と揉め事になった場合、仲介してくれたじいちゃん、ばあちゃんには迷惑がかかるかもしれないことを忘れないでおきましょう。

3つ目のパターンは、私が最もおすすめしている方法で、いわゆる『2段階移住』という方法。シェアハウスなどに実際に数ヶ月住んでみて、現地の雰囲気を体感し、自分自身で近隣の住民と仲良くなって自分で空き家を見つけるのです。こうすることで、移住にありがちな「思っていたのと違う」という失敗をしづらくなるし、近隣に知り合いがいる状態で移住生活をはじめられます。

どの方法に関しても、現地の人にいい印象を持ってもらう必要はあるので、挨拶などの基本的なことはしっかりしなければいけません。

田舎ではお金よりも労力が必要

↑ペンキ塗りをする妻

ここまで読んでいただいた方にはすでに伝わっているかもしれませんが「田舎ではお金はそんなにいらないけれど、労力が必要になる」ということはしっかりと頭に入れていただきたい。田舎は家賃は安いし、畑で野菜は作れるし、山には山菜、海があれば魚が釣れる。しかし、これらにはすべて労力が必要で、全てをこなそうとすると時間と体力がかなり必要になる。

「畑や釣り、DIYを楽しみにオレは田舎にいくんだ!」

という方は、田舎がマッチしていると僕は考えます。

しかし、「ちょっと資産が出来たから維持費の安い田舎へ」という人や「リモートワークで場所を選ばないから田舎でのんびり」という人は、田舎に実際に住んでみるとそのギャップにゲンナリしてしまう可能性が高いでしょう。

これから田舎移住をしてみたいと考えているのであれば、どちらにせよ、一度シェアハウスなどで気楽に田舎生活を体験してみるのがおすすめです。田舎に住んでみての違和感は誰しもが抱くはずだし、それは住んでみないと誰にもわかりません。

僕の運営する「ほくほく邸」は、地域密着型の限界集落シェアハウス。地域の人と仲良くなるにはうってつけの環境です。「田舎暮らし気になるなぁ」と思っている方はぜひ下記のボタンから「ほくほく邸」の情報をチェックしてみてください。